【キット名】中島 キ43-Ⅱ 一式戦闘機 隼(日本陸軍 戦闘機)
Nakajima Ki43-Ⅱ HAYABUSA [OSCAR] (JAPANESE ARMY FIGHTER)
【メーカー】ハセガワ
【シリーズ&№】A1(00131)
【スケール】1:72
【定価】800円
【パーツ数】38ピース
記念すべき最初のキットは何にすべきか、それなりに悩みましたが、やはり、ここは日本の飛行機プラモメーカーとしてハセガワのキット、中でも定番中の定番のAの1番からだろうということで、こちら「隼」であります。
日本の大戦機というと、どうも一般的には「零戦」が幅を利かせているフシがありますが、あちらは海軍機。「隼」は陸軍を代表する中島飛行機の傑作ファイターで、総生産数は5,751機と陸軍随一。ちなみに10,430機生産され、旧日本軍最多を謳う三菱重工業の「零戦」ですが、その半数は中島がライセンス生産していたそうです。中島製と三菱製での仕様の違いなど、興味深い話題もありますが、それはまたいずれ。
■パッケージ
パッケージは第50戦隊の穴吹智機を描いています。ハセガワのボックスアートといえば、小池繁夫氏。現行のパッケージでは署名部分がカットされていますがが透明感のある空と雲の描写は、間違いなく小池タッチです。「隼」の背後で白煙をあげて失速していくのはB-25J「ミッチェル」のソリッドノーズタイプでしょうか? この絵柄は、1982年に青帯のB17番として最初に発売された時からのもののようです。その時のパッケージには一型とも二型とも表示されていません(下の写真)。こちらは原画に近いトリミングと思われ、小池氏のサインも確認できます。
ちなみに、穴吹氏が"吹雪"と名付けたのは最初に受領した一型で、二機目に乗り換えた際には"君風"と新たに名付けと言われています。その2機目が彼の最後の「隼」のはずなので、ニ型の"吹雪"の存在は微妙な感じかもしれません。
■パーツ&ランナー
パーツはクリアパーツを含めて3ランナーで構成されています。整然と配置されていて、見ていて気持ちがいいです。モールドはカウルのフィンや動翼部分などの一部を除いて凸モールドです。バリやヒケなど多少目出つものの、35年前の金型だと思うと良好なほうではないでしょうか(個体差はあると思いますが)。分かりやすいパーツレイアウトは、レシプロ機の入門キットとしてお薦めかもしれません。
Aランナーでは簡略化されたエンジン(4)がややイビツな円形になっています。コクピット部分は、椅子の背もたれ(13)と座面(5)が別パーツになっています。背もたれには肉抜き穴のモールドもあるので、ドリって貫通させてもいいかもしれないですね。
Bランナーは翼まわりのパーツ。主脚の格納部分はあっさりモールド。飛行状態で作る場合は、加工しないと、タイヤの厚みを収納しきれない感じです。動翼部分は他と違い、いわゆる梨地(意図的に表面を荒らす)処理がされています。
Cランナーはクリア素材でキャノピーのみ。透明度は髙く、モールドも比較的ハッキリしていますが、前方窓の上部にプラ厚の変化による歪みが見受けられます。
■デカール
小さいデカールは、プロペラ部分の警告表示(19、20)と主翼上面に貼る赤い小さな丸(21)(これはなんの警告マーキングなのか、いまだに解っていません(笑))、主脚カバーに貼るコーション(22、23)くらいで、あとは大ぶりなもの。穴吹機用の白い電光マーク(6、7)が、ちょっと苦戦しそうです(デカールが重なる部分を切り取る指示があります)。
■説明書(インスト)
ハセガワおなじみの黒青2色刷りで、塗装部分が分かりやすいものになっています。組立工程で難易度が高そうな部分はありません(接合部の調整などは必要になると思いますが)。アンテナ支柱はイモ着けタイプなので、アンテナ線を張る場合などは、芯を通すなどしたほうが良いかもしれません。塗装については、カウリング部分や機体内部などで調色指示がありますが、現在はクレオスから、それぞれカウリング色(125)、コクピット色[中島系](127)が出ているので、そちらで代用すれば調色作業は不要。
【インストの機体解説】
一式戦闘機隼は、日本陸軍の主力戦闘機として太平洋戦争の全期間を通じて活躍しました。隼二型は、一型のエンジンをより高馬力のハ115に換装、プロペラも二翅から三翅とし、翼幅も短くして速度の向上を図ったタイプです。ビルマ、フィリピン、中支戦線などあらゆる戦場で奮戦しましたが、アメリカ戦闘機に対しては、速度、武装などの点で劣勢を余儀なくされました。
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